その1「塗料」
「塗料信仰」
リフォーム会社の間で起きている風潮です。
大手塗料メーカーの高級塗料を使えば長持ちするという偏った考え方です。
このような考え方の根本には、高齢化と腕の未熟な職人が増えたことがあります。そのため、塗料に頼りすぎています。頼るしかないとも言えます。
塗料は必要条件のうちのひとつでしかありません。だから、頼り過ぎてはいけないのです。
この前提で「下地調整用塗料」「仕上げ用塗料」についてお伝えします。
下地調整用塗料
- 柔軟性がありヒビ割れ(クラック)を抑える塗料
- 密着力が高く、下地と塗料をしっかりと密着させる塗料
「下地調整用塗料」には2種類ありますが、万能なものはありません。外壁材がなにか、下地の状態によって選ばなければいけません。その判断を誤ってしまうと、塗装して間もないのにヒビ割れが再発したり、塗料がはがれたりふくれたりする可能性があります。
仕上げ用塗料
代表的な「仕上げ用塗料」には「ウレタン」「シリコン」「フッ素」があります。塗料ごとに耐久年数と費用が変わり、一般的には「ウレタン→シリコン→フッ素」の順で長持ちすると言われています。
ここまではご存じの方もいらっしゃいますが、塗料選びの難しさはここからはじまります。
塗料にはそれぞれ「水性塗料」や「溶剤塗料」があり、なおかつ「1液塗料」「2液塗料」もあります。しかも、フッ素よりもシリコンが長持ちする場合もあるのです。
このように「下地調整用塗料」と「仕上げ用塗料」は種類が豊富なだけでなく、選び方も複雑です。そのため、何を使うかという判断には下地の状態を見極める目利きが必要になりますが、実際には目利きではなく、リフォーム会社の仕入れの都合で選ばれているのが現状です。塗料を大量に購入することで価格が安くなるというメリットはありますが、お客様の外壁や屋根の状態に合わせた塗料ではありません。だから長持ちしないのです。