耐震リフォームにかかる費用と工事までの流れや補強の優先順位

耐震リフォームにかかる費用と工事までの流れや補強の優先順位

耐震リフォームにかかる費用は工事の方法や住宅の規模と状態などによって変わります。

耐震診断から工事までの流れの中にある費用を抑えるポイントには耐震診断と耐震改修補強工事の種類の選び方、補強の優先順位、他のリフォームとの組み合わせなどが挙げられます。

耐震リフォームの費用や流れ、工事の種類などについて見ていきましょう。

このコラムで分かること

  • 耐震リフォームの費用は工事の方法、住宅の規模や状況など複数の条件によって変わります。
  • 耐震リフォームの費用を抑えるポイントには、正確な調査と必要最小限の補強工事、補助金活用、他のリフォームとの組み合わせが挙げられます。
  • 耐震リフォームまでのおおまかな流れはセルフチェック→専門家による耐震診断と耐震設計→耐震改修補強工事です。

この記事の監修者村上 仁株式会社ハウジングボックス 代表取締役

村上 仁

千葉県佐倉市専門のリフォーム会社として、私たちは「リフォームを売る会社」ではなく「その先の安心を届け続ける会社」でありたいと考えています。
二級建築士・外装劣化診断士・雨漏り診断士などの有資格スタッフと、地元一番を目指す職人が連携し、工事後の暮らしまで責任を持つ“ずっと安心”のリフォームをお届けします。
当コラムは、こうした現場経験と専門知識をもとに監修・発信しています。

耐震リフォームにかかる費用

耐震リフォームにかかる費用

公的には耐震改修と呼ばれている耐震リフォームとは、住宅の耐震性を高めるための耐震改修補強工事を指し、耐震リフォームにかかる費用は、耐震診断の方法、耐震改修補強工事が必要な範囲や工事の方法によって差が出てきます。

公表されている耐震リフォームの費用の平均や例

国土交通省などから公表されている耐震リフォームの費用の平均や例を見ていきましょう。

日本木造住宅耐震補強事業者協同組合

2021年に日本木造住宅耐震補強事業者協同組合が、耐震診断を受けた人へのアンケート調査の結果、耐震改修補強工事にかかった費用の平均は167万円でした。

耐震改修補強工事の費用に対して、「工事内容や住宅の状態によって金額は異なりますので、あくまで目安としてご覧ください。※この統計は2021年時点のデータであり、物価高騰の影響は反映されていません。」という注意が記載されています。
参照 日本木造住宅耐震補強事業者協同組合 耐震補強工事の方法

財団法人日本建築防災協会

2010年に財団法人日本建築防災協会が「木造住宅における耐震改修費用の実態調査業務の結果」をもとに編集した「木造住宅の耐震改修の費用 耐震改修ってどのくらいかかるの?」という資料では、最も多い耐震改修の費用は100~150万円でした。

この資料にも、「本パンフレットで紹介する耐震改修工事費の目安や工事費の目安を算出する式は、2010年公表当時の情報であり、昨今の物価高騰については考慮されておりませんのでご注意ください。(2025年4月)」という注意書きがあります。

また、耐震改修工事はお住まいの状態によって金額に差がありますとも記載されています。
参照 「木造住宅における耐震改修の費用」木造住宅における耐震改修費用の実態調査

国土交通省

国土交通省の特設サイトである「住まいの耐震化 家族を思う、強い家~大地震に備える耐震改修~」の中で、例として挙げられている費用は224万円です。

こちらは、築50年、2階建て、延べ面積約100㎡の木造住宅を改修したモデルケースとしての費用です。

そして、耐震改修に係る費用は、住宅の古さ、大きさ、構造、工事の方法などによって変わりますと記載されています。
参照 「住まいの耐震化 家族を思う、強い家~大地震に備える耐震改修~」費用の目安ってどのくらい?

公表されているどの数字も費用の目安とはなりますが、ご自宅の耐震リフォームにかかる費用と同じではありません。

ご自宅の状態によって必要な補強工事の種類や範囲が変わることから、正確な費用を割り出すためには手始めに耐震診断が必要です。

耐震診断から耐震リフォームまでの流れ

耐震診断から耐震改修工事までの流れ

ご自宅の耐震リフォームの費用を確認できるタイミングを知るため、耐震診断から耐震リフォームまでの流れを見ていきます。

セルフチェック

手始めに、ご家庭でできる数分で完了する簡単な耐震診断でセルフチェックしましょう。

こちらからすぐにお試しいただけます。
監修 国土交通省住宅局 / 編集 一般財団法人 日本建築防災協会 誰でもできるわが家の耐震診断

専門家に一般診断法を依頼~実地調査

① 耐震性に深刻な問題があると判断された場合は精密診断法を専門家に依頼し、下見調査の後、提出される見積りに問題がなければ実地調査に進む

耐震診断の内容と評価方法についてはこちらのコラムからご覧いただけます。
〈関連コラム〉耐震診断の重要性と進め方|依頼先探しから調査実施までの流れと佐倉市の耐震補助制度

② 建築士が診断結果に応じて耐震改修計画をたて設計を行う

①から③までをスムーズに進めるためには、耐震診断から耐震改修補強工事までを一括して請け負う専門業者を探すことが大切です。

③ 工事を請け負う専門業者から耐震改修計画と設計に応じて耐震改修補強工事費の見積もりが出される

この時点で、耐震リフォームの費用が確認できます。

④ 耐震リフォームが開始される

 

耐震リフォームについて詳しく知りたいと思われたらお気軽にお問い合わせください。

耐震リフォームの費用を抑えるポイント

耐震リフォームの費用を抑えるポイント

耐震リフォームの費用は住宅の状態によって変わりますが、費用を抑えるポイントには耐震診断に基づいて必要な工事を絞ること、他のリフォームと組み合わせること、条件が合えば補助金を活用することが挙げられます。

耐震診断をしてから耐震リフォームに進む

始めから住宅全体の耐震リフォームを計画するのではなく、セルフチェック後に、専門家の耐震診断を受けましょう。

診断後に耐震リフォームの計画を立てると、耐震補強が必要な個所を特定できるので、無駄な工事を避けられ、費用を抑えられます。

セルフチェックの後はまず一般診断法を選ぶ

専門家に依頼する耐震診断には目視と図面から診断する一般診断法と、壁や天井を一部壊して内部の調査をする精密診断法があります。

精密診断法は、診断にかかる技術料に加え、壁などを壊す作業や調査後の修復、破壊作業で出た廃棄物の処理などの費用がかかるため、一般診断法より費用がかさみますので、まずは一般診断法を選びましょう。

診断の結果、精密診断法が必要という結果になった場合には、精密診断に進みます。

耐震改修補強工事は費用対効果と耐震効果が高い工事を優先する

耐震改修補強工事には複数の方法がありますが、その中から優先度の高い順に必要な工事を選んでいくことが費用を抑えることにつながります。

耐震改修補強工事には複数あり、住宅の状況に応じて最適な工事の方法と優先順位が変わります。

ここでは、おもな4つの耐震改修補強工事の種類をご紹介しますが、耐震リフォームに際して、専門家に話を聞く時の参考としてお考えください。

壁の補強

壁の量を増やし、壁の配置バランスを改善して強い壁にする工事です。

この工事の方法には構造用合板や筋かいによる補強と、室内側から施工できる木造住宅向けの壁補強があります。

室内側からの壁補強は天井や床を壊さないので費用を抑えられます。

基礎の補強

基礎の補強にはひび割れや腐食部分の補修と基礎の補強が挙げられます。

  • 基礎のひび割れを補修する
  • 鉄筋が入っていない無筋の基礎には、鉄筋コンクリート造の基礎を足す

壁の補強をしても無筋基礎のままでは本来の壁の強さが活かされません。

補強箇所数を減らすことにつながる鉄筋コンクリート造を足す基礎の補強と、壁の補強とセットで行うことが、費用対効果と耐震効果の高さにつながります。

ただ、基礎のある壁を補強しても目標とする耐震性を満たさない場合には、新しい壁の設置に伴い、基礎も新設しなくてはならないため、費用がかさんでしまいます。

水漏れや劣化による腐朽やシロアリ被害のある個所を補修する

木材は腐朽したりシロアリ被害を受けたりすると耐震性が低下してしまうため、腐朽した個所やシロアリ被害のある個所の木材を交換し、防腐・防蟻処理をします。

屋根の軽量化

屋根の軽量化とは、屋根の重さに対して壁の量が充分ではない場合、地震の揺れに弱い家になってしまうため、屋根材を拭き替える工事です。

耐震改修補強工事の優先順位

耐震改修補強工事の優先順位は、住宅の耐震性や劣化の状態など様々な条件によって変わりますので一概には言えません。

ただ、上記4つの工事の中で耐震性を高めるという観点からの優先順位の1位は、腐朽やシロアリ被害のある個所を補修する工事であることが多いです。

その次が壁の補強→基礎の補修と補強→屋根の軽量化と続きます。

費用対効果という面から考えると、屋根の軽量化の方が壁の補強より費用は抑えられます。

例えば、耐震リフォームをするタイミングが屋根を葺き替える時期と重なっていた場合には、屋根の軽量化を優先し、不足する部分を壁補強していくという方法も考えられます。
参照 日本木造住宅耐震補強事業者協同組合 耐震補強工事の考え方・優先順位

住宅の状況に応じて優先順位を決めていくことが大切なので、ご家族の希望と工事を請け負う業者の専門的な観点からのアドバイスを擦り合わせながら、計画を進めることが大切です。

他のリフォームと組み合わせる

他のリフォームと組み合わせることが、直接耐震リフォームの費用を軽減させるということではないのですが、別のタイミングで他のリフォームをする場合と比較すると費用を抑えられます。

耐震リフォームと他のリフォームを同時にすると有利な理由

組み合わせるリフォームによって必要な工事が変わりますので、一概には言えません。

その上で、耐震リフォームと他のリフォームを同時にすると有利な理由には、工事費と工期の短縮ご家族にかかる生活の不便さの軽減と、リフォーム後の快適さが挙げられます。

工事費と工期の短縮

リフォームの種類にもよりますが、壁や床を壊す必要があるリフォームの場合、耐震改修補強工事と同時にすることで、解体作業と復旧作業をそれぞれのリフォームでする必要がなくなり、共通して足場が必要なリフォームであれば、両方に使えるので足場を組む費用も節約できます。

その結果、個別にするケースと比較すると人件費や廃材処分費と工期が抑えられる可能性が高いです。

ご家族にかかる生活の不便さの軽減

リフォームの種類や方法によっては、仮住まいをしたり、不便な生活になったりすることがありますが、その期間が短縮されます。

特に仮住まいをする場合は、引っ越しが1回ですむのでより有利です。

リフォーム後の快適さ

耐震リフォームと同時にするリフォームの種類によって得られる快適さは変わってきますが、温熱環境や生活動線、デザイン性の向上など、暮らしを快適にする効果を得られることが多いです。

耐震リフォームと組み合わせやすいリフォームの種類

耐震改修補強工事と組み合わせることで、より耐震性が高くなるリフォームや、生活の快適さを生むリフォームを見ていきましょう。

屋根の葺き替え

屋根の葺き替えは屋根材を見直すことで軽量化でき、耐震性を上げることにつながりますが、それ以外に、屋根の劣化や退色の解決にも役立ち、住宅の外観イメージが向上します。

耐震改修補強工事の優先順位でご紹介した「耐震リフォームをするタイミングが屋根を葺き替える時期と重なっていた場合には、屋根の軽量化を優先し、不足する部分を壁補強していくという方法」を検討する選択肢にもなります。

外壁塗装や外壁パネル張り替え

壁の耐震改修補強工事では、外壁を壊す方法があり、その際には外壁塗装や外壁パネル張り替えが必須です。

一方、部屋の内側から筋交いや耐震金物を取り付ける方法で補強するケースもあるのですが、その場合にも外壁塗装や外壁パネル張り替えを組み合わせると、外壁の劣化や退色の解決にも役立ち、住宅の外観イメージが向上します。

断熱性能向上

壁を壊し筋交いや耐力面材で耐震補強をする場合には、柱の間に断熱材を充填することで断熱性を高められます。

この方法は、耐震と断熱・気密性をまとめて向上させられる組み合わせです。

加えて新しい窓を取り付け、窓を断熱化することもできます。

壁を壊さないで耐震補強をする場合には、室内側、または室外側の壁に、構造用面材と高性能断熱材が一体化された耐震性と断熱性を兼ね備えた建築用パネルを張る方法があります。

この場合に向いている窓の断熱化は、内窓を設置して二重窓にする方法です。

内装リフォーム

耐震改修補強工事の仕上げに、クロスや床材の張替えをすると、室内の雰囲気が向上します。

間取りの変更

間取り変更だけをする場合には、耐震性を損なうため耐力壁の位置は動かせないという制限内でリフォームをしなくてはなりません。

一方、壁を壊す耐震改修補強工事と組み合わせる場合には、住宅全体の壁のバランスを考える必要はありますが、希望する間取りに合わせて耐力壁の位置を動かせる可能性があります。

水回りの交換

浴室やキッチンなどの水回りは、湿気と水漏れで腐朽しているケースが少なくありません。

床や壁を取り除いてする耐震補強改修工事と同時にすれば、湿気と水漏れによる腐朽の解決と同時に水回りの設備交換ができます。

耐震診断とリノベーションの組み合わせの大切さについてはこちらから詳しくご覧いただけます。
〈関連ページ〉リノベーション・増改築・減築

補助金や減税制度を活用する

佐倉市では木造住宅の耐震診断・耐震補強工事への補助を実施しています。

ただし、建築した年月日による対象要件がありますので、全ての佐倉市在住の方が申請できる補助金ではありません。

補助の対象は昭和56年5月31日以前、または昭和56年6月1日から平成12年5月31日までに建築された住宅です。
佐倉市 木造住宅の耐震診断・耐震補強工事への補助

〈関連ページ〉リノベーションも補助金が使えるなんて
〈関連コラム〉耐震診断と耐震補強改修工事の費用と補助金・助成制度について

 

耐震リフォームについてよくある質問

耐震リフォームについてよくある質問

耐震リフォームについてよくある質問をご紹介します。

Q 建築時の設計図などがないのですが、耐震リフォームはできますか?

A 建築時の設計図がなくても、耐震リフォームはできます。

耐震診断の時点で建築士がご自宅の調査をし、耐震リフォーム用の図面を作成します。

Q 耐震リフォームに適した季節はありますか?

A とくにありません。耐震リフォームは季節を選ばずいつでもできます。

Q 耐震リフォームは住みながらできますか?

A 耐震リフォームの方法によって、住みながらのリフォームができるケースと、仮住まいが必要になるケースがあります。

骨組みだけにするようなフルリフォームと組み合わせる耐震リフォームなどでは、仮住まいが必要です。

佐倉市でリフォームをお考えの皆様へ

佐倉市でリフォームをお考えの皆様へ

築年数が長くなったお住いには、耐震性への不安だけではなく、寒さや暑さ、経年による退色や住宅設備機器の不具合、生活スタイルの変化によって使いにくくなった間取りなど、様々な問題が発生することがあります。

そのような問題解決のためにも、耐震リフォームをする際、問題を解決できるリフォームを同時にすると、快適さだけではなく、家族の安全を守れる家にすることができます。

他のリフォームと耐震リフォームを同時にすると耐震リフォームだけをする場合より費用がかさむことは否めません。

ただ、別のタイミングで問題解決のためのリフォームをするよりは、同時にした方が費用は抑えられます。

耐震リフォームを検討される際は、現在のお住まいの不便さを解決するリフォームも同時に計画されることをおすすめします。

佐倉市でリフォームを検討される際にはお気軽にお問い合わせください。

 

この記事の監修者村上 仁株式会社ハウジングボックス 代表取締役

村上 仁

千葉県佐倉市専門のリフォーム会社として、私たちは「リフォームを売る会社」ではなく「その先の安心を届け続ける会社」でありたいと考えています。
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当コラムは、こうした現場経験と専門知識をもとに監修・発信しています。