2015.03.09 Mon

国産木材と米のりでつくる建具のご紹介

『自然に住もう』代表の村上です。

昨日までの2日間で成田市はなのき台にあるモデルハウスにて『お披露目見学会』を開催しました。
今回だけではなく、毎度のように私がお伝えしている室内に使っている建具について、ここで一度まとめとしてブログに上げたいと思います。
言葉で伝えるだけでなく、写真も交えて伝えたほうが分かりやすいので、今回は写真多めのブログになります。

_80A0782 のコピー
▲無垢の建具なのに工夫を凝らしているので建付けが悪くなりにくいです。

私たちが使う室内の建具は、新潟県上越市でつくっています。
最低限の機械はありますが、基本的に人力、手仕事で一本ごと仕上げています。

2015-01-22 15.17.46
▲小さな工場の中には、機械が少なく、作業台で職人が組み立てます。

一般的な建具の工場は、もっと大きくて機械化されていますが、ここは違います。
機械で作っても精度が高い建具はできます。
しかし、心はこもっていません。
一本ごと、手仕事でつくるには時間がかかります。
手間隙かけた分だけ長く使えます。

長く使える理由をこれからご紹介します。

2015-01-22 15.27.31
▲建具や棚板に使われる木材を乾燥させながら長期保存しています。

杉と桧は、吉野や東濃地方から仕入れます。
栗は、岩手県産。建具を作れるほどの太い栗は東北にしかありません。

2015-01-22 15.28.32
▲ちょうど我が家で使う加工前の棚板がありました。

乾燥させた直後の杉なので黒くなっていますが、表面を仕上げていくと写真よりも白が目立つようになります。
この杉が職人の手にかかり、我が家の棚板になっていきます。

棚板ですから、写真に見える杉の数枚を貼り合わせます。
貼り合わせるために使うのは、木工用ボンドでも接着剤ではありません。

2015-01-22 15.32.36
▲木を貼り合わせるために“膠(にかわ)”と“米のり”を手作業で塗ります。

正確には、固まりにくい膠(にかわ)に米のりを混ぜて固まりやすくします。
固まってしまえば、膠(にかわ)は千年もつと言われています。
やはり化学系接着剤は、湿気に弱く、剥がれることもあります。

2015-01-22 15.30.26
▲“膠(にかわ)”と“米のり”を塗った後は固定して、しっかりと粘着させます。

なにを作っているのかというと、建具の框(かまり)部分です。
今日の一番上の写真に見える建具の取っ手が付いている縦の部分を框と言います。
この一本の木材に見える框を4本にすることで、無垢の建具は建付けが悪くなり、開けにくくなりやすいのですが、そういうことはありません。

2015-01-22 15.30.33 のコピー
▲“膠(にかわ)”と“米のり”をたっぷり塗っているので、頑丈にくっつきます。

2015-01-22 15.30.55
▲これが“膠(にかわ)”です。

湯煎して溶かして接着剤になります。
私たちは“膠(にかわ)”を建具だけではなく、工事の時にも使っています。
正直、扱いづらいのですが接着よりは右に出るものはありませんので。

2015-01-22 15.33.38
▲こちらは米粉です。

米粉を水で溶いて米のりになります。

そして、だいぶ飛びますが最終的な仕上げとして、自然塗料を塗って仕上がりです。

すべての作業過程をお見せしたいのですが、あまりにも長くなりすぎるので一部をご紹介しました。
この建具にこだわるのは、お伝えしたように専門職人による手作業で、化学石油系を一切使っていないからです。
最近よく使われている建具は機械化で化学石油系を使うのは当たり前です。
これを新建材建具といいますが、長持ちしません。
お客様の好みにもよりますが、長く住んでいく家には職人の気持ちのこもった丈夫で長持ちする建具が必要です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA